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犬は何歳から「老犬」と呼ばれる?飼い主が老犬のためにできること

愛犬と一緒に過ごす中で、「いつもと様子が違うが、これは老化によるものなのか」「自分の愛犬は老犬にあたる年齢なのか」と気になる人もいるでしょう。人間と同じように、犬も老化が進むといくつか特徴的な面が見られます。老化現象が現れ始めると若いときとは違った印象になるため、不安に思う人も少なくありません。

当記事では、老犬に該当する年齢の目安や、老犬に見られる特徴、老犬のためにできることを紹介します。老化防止に役立つお世話の方法も確認し、愛犬の年齢にかかわらず実践してみましょう。

 

1.犬は何歳から「老犬」になる?

犬の年齢を人間に例えると、おおむね下記の表の通りとなります。

人間 小型犬・中型犬(20kgまで) 大型犬(20kg以上)
1か月 約1歳 約1歳
6か月 約9歳 約6歳
1歳 約17歳 約12歳
2歳 約24歳 約19歳
3歳 約28歳 約26歳
5歳 約36歳 約40歳
10歳 約56歳 約75歳
15歳 約76歳 約110歳
20歳 約96歳 約145歳

小型犬・中型犬は、生後半年で約9歳、1年で約17歳と早いペースで年を取ります。2歳頃までの成長スピードが著しく、その後は緩やかに年を重ねていきます。反対に、大型犬は生後半年で6歳、1年で12歳と、小型犬と比較してゆったりとしたペースで年を重ねることが特徴です。2歳を超えると、小型犬・中型犬の年齢を追い越すほどのスピードで成長します。

「何歳から老犬と呼ばれる」という明確な定義はありませんが、基本的には7〜9歳頃に老化が始まりやすくなります。人間の中年期・40〜60歳代に当たると考えると分かりやすいでしょう。その後、人間の50〜70歳代に当たる10〜12歳頃に本格的な高齢期に入ります。

 

1-1.老犬によく見られる特徴

年齢による老犬の定義はないものの、老犬に見られる特徴はある程度共通します。愛犬の様子に下記のような変化が現れたときは、老化のサインの可能性があります。

散歩を嫌がる、歩くペースが遅い 老化によって体力が落ち、後ろ足に力が入らなくなると、散歩を嫌がることがあります。
睡眠時間の増加、体をあまり動かさない 体力の回復に時間がかかるため、睡眠時間も長くなります。
目が白っぽく濁る 目の濁りは視力の低下を伴うことがあり、壁にぶつかったり段差でつまずいたりするのも、老化のサインです。
体毛やヒゲに白髪が増える 見た目の変化から愛犬の老化に気付く人も多いです。

上記のほかにも、「食事量が減る」「徘徊や夜泣きが増える」「口臭がきつい」などは、老化の代表的な症状の1つです。すべてが老化による変化ではなく、病気や体調によって普段と様子が異なる場合もあります。かかりつけの動物病院の医師と相談しながら、愛犬の健康チェックを行いましょう。

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2.飼い主が老犬のためにできること5つ

犬の老化が進むと、人間と同じように介護が必要になります。今までできていたのに、年を取ってできなくなってしまうことも多くあるでしょう。日々の変化を観察し、老犬のサポートに向けて早い段階で準備することが重要です。ここでは、飼い主が老犬のためにできる5つのことを紹介します。

 

2-1.健康診断を受けさせる

人間と同じように、犬も定期的な健康診断を受けて病気の早期発見につなげることが大切です。犬は自分で健康状態を伝えられないため、知らず知らずのうちに病気が進行していることも少なくありません。1年に1〜2回の頻度で健康診断を受けるとよいでしょう。

また、老犬になってからではなく、若いうちから健康診断を受けるのもおすすめです。過去の健康診断の情報と比較できたり、獣医師との信頼関係を築けたりと、多くのメリットがあります。

 

2-2.落ち着いて過ごせる環境を整える

老犬になっても家で落ち着いて過ごせるよう、下記のような生活環境を整備しましょう。

  • 犬用のベッドやクッションなどで居場所をつくる
    身体機能が衰えて歩くことが困難になってきたら、犬用のベッドやクッションなどで快適な居場所をつくるのがおすすめです。日当たりがよい場所で、室内の温度を適温にキープできる部屋に居場所を用意しましょう。
  • 怪我や事故につながる障害物を取り除く
    視力が低下した老犬は、家具や床に置いているものにぶつかったり、段差につまずいたりして怪我をする可能性があります。犬が通るところは、できるだけ平坦な道になるよう家具の配置を換えたり、段差にスロープをつけたりするとよいでしょう。
  • トイレの場所を工夫する
    老犬はトイレが近くなり、時には間に合わないことも少なくありません。いつもくつろぐ場所の近くにトイレを設置すると失敗が減ります。また、大きなトイレシートを用意したり、トイレができる場所を増やしたりすることも効果的です。

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老犬の行動範囲に合わせて環境を少し工夫するだけで、心身ともに落ち着いた生活を送ることができます。

 

2-3.無理のない範囲で歩く

散歩を嫌がったり、動くことが少なくなったりする老犬もいますが、無理のない範囲で歩くことも大切です。老犬でも歩きやすい平坦な道を選び、疲れ具合を見てペース配分を考えましょう。少しの時間でも散歩をすることは、脳の活性化や血行促進につながります。

天気や体調が悪く散歩のしづらい日には、室内でボール遊びをするだけでも運動になります。その際、脚が滑りやすいフローリングにはカーペットを敷くなど、室内でも歩きやすくなるよう工夫しましょう。

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2-4.食事を見直す

老犬は食事を取らないとすぐに衰弱してしまう恐れがあります。下記のように食事内容や栄養バランスを見直し、健康維持に努めてください。

  • 消化によいものを与える
    老犬は内蔵機能が衰え、食べたものの消化に時間がかかります。「ドライフードはお湯でふやかす」「少量ずつ与える」など、胃腸や肝臓に負担がかかりすぎないよう配慮しましょう。
  • おいしく食べられるものを探す
    食欲が落ちたときは、普段の食事を無理強いするのではなく、喜んで食べられるものを与えることも大切です。香りのよいトッピングや触感の違うウェットフードなど、さまざまなものを試してお気に入りの食事を見つけましょう。
  • 水分や栄養素などを補える食事メニューにする
    老化によって喉の渇きは感じにくくなるため、食事から水分を摂取することは大切です。また、体をつくるタンパク質や胃腸の調子をよくする消化酵素を摂ることで、食欲増進や元気につながる効果も期待できます。

老犬の食欲が落ちても諦めずに、食べない原因を考えて食事内容を工夫することが大切です。

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2-5.積極的にスキンシップをする

老犬になると、走り回ったりじゃれてきたりすることは少なくなるため、飼い主側から積極的にスキンシップを図りましょう。小さなことでも飼い主がスキンシップを取ることで、老犬の生きがいにつながります。

体をなでている最中にできものを見つけるなど、スキンシップを通して老犬の変化に気付く飼い主も少なくありません。体を優しくなでたり、抱っこして外を歩いてみたりするなど、ゆったりとしたふれあいの時間を設けるこことが大切です。

 

3.愛犬の老化を予防する方法3選!

犬の老化を予防するには、若いときからのケアも大切です。犬の年齢にかかわらず、下記のように接すると、愛犬の老化予防につながる可能性があります。

  • オーラルケアを習慣にする
    老犬は歯周病や歯肉炎などになりやすいため、オーラルケアを習慣化することが大切です。歯や歯茎にトラブルを抱えたままだと、食欲低下につながる恐れがあります。ペット用の歯ブラシや歯みがきのできるガムなどを使って、しっかりお口の健康を守りましょう。
  • マッサージやストレッチをする
    体の柔軟性を保ち、血流をよくするために、マッサージやストレッチを取り入れるとよいでしょう。老犬になると筋肉が硬くなり、関節も動きにくくなります。老犬に無理のない範囲でなでたり揉んだりして、ゆっくりリラックスできるくらいの強度でマッサージやストレッチを行うと効果的です。痛がるときは獣医師に相談しながら行いましょう。
  • 犬の脳トレをする
    老化によって、犬にも認知症のような症状が見られることがあります。「お手やおすわりをする」「かくれんぼをする」「知育専用のおもちゃを使う」など、犬の脳トレは簡単に行うことができます。遊びの中で犬の脳を刺激しましょう。

愛犬の老化予防には「まだ若いから何もしなくても大丈夫」と思わず、犬の健康への配慮を習慣化することをおすすめします。

 

まとめ

老犬の定義はありませんが、7〜9歳頃になると老化現象が見られるようになります。若いときと比較してできなくなることが増えるため、老犬には飼い主による日常的な健康管理、「ペットメディケーション®」が重要となります。愛犬の加齢を悲しまず、老犬の健康に配慮しながら生活してください。

また、老犬になる前にオーラルケアやマッサージ、脳トレを取り入れて、老化予防に努めることも大切です。年齢にかかわらず積極的に長寿の秘訣を取り入れ、大切な愛犬と長く過ごしましょう。

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【記事執筆者】ACCAPI®×SOZO®編集部|ペットがいつまでも健康で、家族みんなの毎日が豊かになるように。本コラムでは、愛犬の健康や散歩に関する情報をお届けしています。