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老犬が認知症になったら?吠える・回るなどの症状一覧と症状ごとの対処法を解説

呼びかけに応じない、家の中をくるくると回り続けるなど愛犬が普段と異なる行動を取ると、飼い主の方は気になり、認知症を含めたさまざまな病気の可能性が頭を過ってしまいますよね。

本記事では、年を重ねた愛犬の普段と異なる様子に違和感を覚え、「もしかしたら認知症なのではないか?」と疑っている方に向けて、老犬の認知症について解説します。

愛犬が健康に長生きするための方法についても解説するため、ぜひ実践して愛犬との健やかで楽しい生活作りに役立ててください。

 

1.老犬が認知症になったときの症状一覧と、それぞれの対処法

老犬が認知症になったときの主な症状の一覧を記載します。

「うちの子は認知症かも」と思われた方はチェックリストとして活用し、当てはまる場合はかかりつけの獣医師への相談を検討してください。

犬の認知症の主な症状一覧

  • 1.夜鳴き・徘徊する
  • 2.吠える回数が増える
  • 3.昼夜逆転する
  • 4.くるくると回る
  • 5.名前を呼んでも反応しない
  • 6.痩せる
  • 7.おもらしする
  • 8.狭い場所から出てこない

本章では症状ごとの効果的な対処法について詳しく解説します。

 

1-1.夜鳴き・徘徊には鎮痛剤や麻酔薬を使う

老犬の夜鳴きや徘徊には、その様子を動画に撮影してかかりつけの獣医師に見せ、認知症と判断された場合は獣医師監修の元で鎮静剤と麻酔薬を使う方法が効果的です。

鎮静剤と麻酔薬には症状を一時的に抑える効果がありますが、使用が適切でないと認知症の進行を早める可能性があるため、慎重な判断が必要です。老犬が夜中に徘徊してしまう場合、鎮静剤を使えば落ち着かせやすいものの、長期的な使用には鎮静剤の副作用と依存が懸念されます。

夜鳴きや徘徊への対処法として鎮静剤と麻酔薬は効果的ですが、獣医師とよく相談のうえ、対応するようにしてください。

 

1-2.吠えには声かけをする

犬は認知症を発症すると不安になりやすくなり、不安から吠える場合があります。この場合は声かけを頻繁に行ってコミュニケーションを取ると愛犬に安心感を与えられ症状の改善が期待できます。

声かけをする際はスキンシップをするとより安心感が大きくなります。特にマッサージをしてあげると脳の活性化にも効果的です。例えば背中は毛並みに沿って撫でてあげる、お顔の周りは鼻先からこめかみ、耳の後ろと流れに沿って撫でてあげると気持ちが良いようです。あらかじめホットタオルで手を温め、優しく声をかけながら少しずつ触れてください。

 

1-3.昼夜逆転には日光浴をさせる

認知症の症状の1つに、昼夜逆転があります。認知症ではなく他の原因も考えられるため、動物病院で見極めてもらいましょう。なお昼夜逆転は自律神経の乱れを引き起こす恐れがあるため、原因を問わず解決が必要です。

昼夜逆転を治すのに一番効果的なのが、体内時計を整える効果がある日光浴です。日光浴とあわせて、声をかけたり遊んであげたりすると、昼寝を防止して夜に寝やすくなる効果も期待できます。

 

1-4.くるくると回る場合は動物病院を受診する

老犬がくるくると回り続ける場合、認知症を発症している可能性に加え、脳の病気、内分泌系の病気、排泄の前兆などのパターンも考えられます。

まずは適切な診断と処置を受けるために動物病院を受診してください。なお動物病院に行くときは、事前にくるくる回る様子を動画に撮って獣医師に見せると診断がスムーズです。

 

1-5.名前に反応しないときは大きな声で呼ぶ

呼びかけに応じない原因は認知症だけではなく、老化に伴う聴力・視力の低下、体調不良、疲労などの可能性もあるため、まずは動物病院を受診して適切な判断を仰ぎましょう。

老犬が名前に反応しないときは、大きな声ではっきりと名前を呼びます。愛犬の視界に入って呼ぶとより効果的です。

 

1-6.痩せたときは動物病院を受診する

認知症になると脳が栄養吸収の指令を出しにくくなって栄養を上手く取り込めず、痩せてしまう場合があります。とはいえ体重減少は、認知症以外の病気が原因の可能性もあります。もし、与えたご飯をしっかりと食べていて、下痢をしていないにも関わらず体重が減っている場合には、認知症の疑いも視野に入れましょう。

痩せ方に不安がある場合は、動物病院を受診し獣医師に認知症かどうかを判断してもらいましょう。

 

1-7.おもらしするときはトイレをサポートする

認知症に限らずトイレの失敗は加齢によって起きる一般的な問題であり、以下のような適切なサポートが求められます。

  • ・トイレを犬の居場所の近くに移動して排泄しやすくする
  • ・オムツを着用させておもらししても汚れない状態にする
  • ・排泄物が床に溜まったときは犬が滑って転ばないようにすぐ拭き取る

なかでもオムツの着用は、トイレの失敗を確実にカバーできるためおすすめです。若い頃からマナーウェアに慣れさせておくと、歳を重ねてからでもスムーズにオムツを着させられます。

 

1-8.狭い場所から出てこないときは隙間をなくす

認知症の老犬は方向転換が困難になり、前進はできても後退ができず狭い場所から出られなくなる場合があるため、隙間をなくす工夫が必要です。

家具を移動させて隙間を埋めるときは、角をクッションでカバーすると同時にケガ対策も行えるため効率的です。

 

2.老犬が認知症になる原因

老犬の認知症は老化、脳梗塞、脳出血、栄養障害などによって、脳神経細胞や自律神経がうまく機能しなくなり発症・進行します。そのため、愛犬が11歳を超えてからは認知症の早期発見と対処のために、認知症の兆候を見逃さない心構えを持つようにしましょう。

ちなみに認知症と聞くと、老いた犬がなる病気と思いがちですが、若くても脳出血や栄養障害などをきっかけに認知症を発症することもあります。一概に老犬だけに当てはまるものではないのです。

 

3.認知症を改善するためには脳の活性化が重要

認知症の症状改善のポイントは、脳神経細胞の活性化です。

具体的な方法としては、愛犬に脳神経細胞を活性化する効果のあるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの栄養素を補給させることです。これらの栄養素は、認知症の進行を抑えやすくすると言われています。DHAやEPAには血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ効果もあるため、愛犬の健康のために積極的に餌に取り入れてみましょう。

柴犬に代表される日本犬は魚中心の食生活を送ってきたためDHAやEPAの要求量が高く、これらの栄養素を意識的に取らないと認知症を起こしやすい傾向があります。サプリメントや動物用の塩分の少ない煮干しなどを食事に加えて栄養素を補う工夫が必要です。

 

4.認知症の予防には運動が効果的

老犬の認知症予防には運動が効果的です。運動によって脳に刺激を与え、筋肉の衰えを防いで寝たきりを避ければ認知症の進行を予防できます。

おすすめの運動はフリスビーを投げて持って来てもらうアクティビティです。愛犬に体だけでなく頭も使わせられるため、認知症予防につながります。

特別な運動をしなくても、散歩コースを変えるだけで脳の刺激を得られます。老犬が散歩できるように歩行サポートグッズを活用するのも一つの方法です。愛犬が加齢に伴う体力の低下で散歩も嫌がるようになっている場合は、歩行をサポートするグッズによって運動量を確保して認知症予防につなげましょう。

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5.愛犬が健康的に長生きするためにできること

認知症の予防や症状への対処以外にも、年を重ねた愛犬が長く健康で過ごせるよう、飼い主にできることがあります。

老犬の健康寿命を延ばす主な方法は以下の3つです。

  • ・明るい雰囲気を保つ
  • ・老犬に合った環境を作る
  • ・老犬に合った食事を作る

本章では各方法について具体的に解説します。

 

5-1.明るい雰囲気を保つ

犬の元気の秘訣の一つに、飼い主が明るい雰囲気を保つことが挙げられます。飼い主が落ち込んでいると、犬も心配や不安を感じ、健康に悪影響を及ぼす恐れがあるためです。

愛犬の健康を考えるなら、まずは飼い主自身が前向きな気持ちで日々を過ごし、そのうえで明るく愛犬に接することを心がけましょう。

 

5-2.老犬に合った環境を作る

老犬は関節の痛みや筋肉の衰えから上り下りが困難になっていくため、適切な環境整備が必要です。

老犬が過ごしやすい環境設定として効果的なのが、ソファに補助的な階段やスロープを設置したり、座布団を階段状に重ねて上りやすくすること。他にも、滑り止め効果のあるマットを敷けば関節症予防にもなります。

 

5-3.老犬に合った食事を作る

犬は加齢に伴ってご飯の消化吸収能力が落ちてくるので、必要な栄養素を消化吸収しやすい方法であげる必要があります。

老犬にとって必要な栄養素と、あげるときのポイントは下記表のとおりです。

老犬に必要な栄養素とポイント

必要な栄養素 ポイント
アミノ酸が豊富なタンパク質 消化能力に合わせてお湯でふやかす、食事を小分けにして回数を増やすなど工夫する
適量の食物繊維 消化吸収能力の低下は便秘も引き起こすので適量の食物繊維が必要。便通がよくない場合は、お腹を右回りに手の平で撫でてあげると胃腸の消化活動を活性化できる
適量のカルシウム 骨粗しょう症を予防するために必要。与えすぎると内臓にカルシウムが沈着して体調不良を起こす場合があるため、与えすぎには注意する
適量の必須脂肪酸 脂肪分は肝臓に負担がかかるため与えすぎないように注意が必要

栄養素ごとの適量に悩んだ場合は、かかりつけの獣医師に相談してください。

 

まとめ|愛犬といつまでも健康的で楽しい生活を送ろう

本記事では、犬の認知症について症状の一覧と症状ごとの対処法を中心に解説しました。

最後に症状ごとの対処法をもう一度まとめます。

症状ごとの対処法

  • 1.夜鳴き・徘徊には鎮痛剤や麻酔薬を使う
  • 2.吠えには声かけをする
  • 3.昼夜逆転には日光浴をさせる
  • 4.くるくると回る場合は動物病院を受診する
  • 5.名前に反応しないときは大きな声で呼ぶ
  • 6.痩せたときは動物病院を受診する
  • 7.おもらしするときはトイレをサポートする
  • 8.狭い場所から出てこないときは隙間をなくす

愛犬が年を重ねると、体力の衰えから病気・ケガになりやすくなります。言葉を発することのできないペットにかわって、飼い主がペットの健康管理を行う「ペットメディケーション」が重要です。

本記事で解説した内容とペットメディケーションを意識し、愛犬との健康的で楽しい生活を送ってください。

ペットメディケーションについて詳しく知りたい方は、以下記事もご覧ください。

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【記事執筆者】ACCAPI®×SOZO®編集部|ペットがいつまでも健康で、家族みんなの毎日が豊かになるように。本コラムでは、愛犬の健康や散歩に関する情報をお届けしています。