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犬のお風呂の頻度はどれくらい?愛犬を清潔に保ちつつ健康を維持するコツ

愛犬をお風呂に入れることは、体を清潔に保ち、健康を維持するための大切なケアの一つです。さらに、家族が愛犬を通じて感染症にかかるリスクを減らし、安心して暮らすことにもつながります。

とはいえ、犬を飼い始めたばかりの方や、これから飼育を考えている方は「どのくらいの頻度でお風呂に入れるのが良いのだろう?」と不安を抱くこともあるでしょう。

本記事では、そんなお悩みを解消するため、犬種や年齢に応じた適切な入浴頻度、入浴しすぎやしなさすぎのリスク、そして愛犬を清潔に保つための入浴手順について、詳しく解説します。

 

1.犬にとって適切なお風呂の頻度

犬のお風呂の頻度は月に1〜2回が目安です。なお月1〜2回はシャンプーをする場合の目安頻度であり、お湯で洗う・浸からせるだけであれば、毎日お風呂に入れてあげても問題ありません。

犬のお風呂の頻度が人間より少ない理由は、犬の皮膚が人間の約20〜30%ほどの厚さしかなく、非常にデリケートだからです。頻繁なシャンプーは皮膚を傷つける可能性があり、さらに毛の脂分が失われることで、かえって汚れやすくなるというデメリットもあります。

「月1〜2回」と幅を持たせているのは、厳密な頻度は犬の個体差によって異なるためです。室内飼いで散歩が少ない、シングルコートや短毛種など、汚れにくい環境や犬種ならばお風呂の頻度は少なめで十分です。一方で、室外飼いや散歩が多い、ダブルコートや長毛種など、汚れやすい環境や犬種の場合は、適切なお風呂の頻度は多くなります。

また、お風呂の適切な頻度は、犬の年齢や季節によっても変わります。本章では、犬種別、年齢別、季節ごとのお風呂の目安について解説します。

 

1-1.【犬種別】適切なお風呂の頻度

適切なお風呂の頻度は犬種が短毛種、長毛種、短頭種のどれかによって異なります。それぞれの目安頻度や理由、具体的な犬種名は下表の通りです。

短毛種、長毛種、短頭種のお風呂の目安頻度

犬種 目安頻度 理由 具体的な犬種名
短毛種 月に1回程度 長毛種に比べて汚れがつきにくいため

・チワワ

・柴犬

・コーギー

・ミニチュアダックスフンド

・ジャックラッセルテリア など

長毛種 2~3週間に1回程度 短毛種に比べて汚れがつきやすいため

・トイプードル

・ポメラニアン

・マルチーズ

・ミニチュアシュナウザー

・ゴールデンレトリーバー など

短頭種 2~3週間に1回程度 顔や首などの皺に汚れが溜まりやすいため

・パグ

・シーズー

・ペキニーズ

・フレンチブルドッグ

・ボストンテリア など

 

1-2.【年齢別】適切なお風呂の頻度

適切なお風呂の頻度は以下のように犬のライフステージごとに異なります。

ライフステージごとのお風呂の頻度

ライフステージ お風呂の頻度
子犬

月1~2回

※ワクチン接種が終わってから

成犬

月1~2回

※飼育環境や犬種によって頻度を調節

老犬 体調を見つつ、2ヶ月に1回ほど

各ライフステージのお風呂に関する詳細とお風呂に入れてあげる時のポイントについて解説します。

 

1-2-1.子犬:ワクチン接種が終わってから

生後6ヶ月までの子犬は、体温調節機能が未熟で、免疫力も弱い状態です。お風呂デビューが早すぎると体調を崩す恐れがあるため、ワクチン接種後、接種による免疫力の低下から回復するまでの1週間ほど経ってからお風呂デビューを行いましょう。

デビュー前でも、愛犬の体を清潔に保つことが大切ですので、タオルや濡れタオルで優しく汚れを拭き取ってあげます。デビュー後は少しずつお湯に慣れさせ、次にシャワー、シャンプーの順で進めてください。

お風呂に慣れてからは、成犬と同じく月1〜2回の頻度が目安となります。

 

1-2-2.成犬:飼育環境や犬種によって頻度を調節

成犬は生後6ヶ月〜6歳頃までの期間を指します。成犬のお風呂の頻度は、月1〜2回を基本にしつつ、犬種や飼育環境に応じて調整しましょう。

先述の【犬種別】適切なお風呂の頻度に加えて、飼育状況や散歩時間を考慮することで、さらに細かい頻度設定が可能です。

室内飼いで散歩時間が短い場合は汚れにくいためお風呂の頻度は少なめに、逆に室外飼いや散歩時間が長い場合は汚れやすくなるため、頻度を多めにすると良いでしょう。

 

1-2-3.老犬:体調を見つつ、2ヶ月に1回ほど

犬は7歳以上になると老犬期に入ります。老犬は体力が低下してくるため、入浴が負担になることがあります。そのため、お風呂の頻度は2ヶ月に1回ほどに減らし、1回の入浴時間は10分以内にしましょう。

愛犬の体調が優れない場合は、無理にお風呂に入れず、濡れタオルで汚れを拭き取ることで、負担を減らしながら衛生管理ができます。

 

1-3.夏と冬それぞれの適切なお風呂の頻度

基本的に、季節によってお風呂に入れる頻度を変える必要はありませんが、暑い夏・寒い冬については、入浴時に気をつけたいポイントがあります。

 

1-3-1.夏:アウトドアで遊んだ後はシャンプーを

犬は、肉球や鼻先など一部にしか汗腺がないため、夏でも大量に汗をかくことはなく、基本的にはお風呂の頻度を増やす必要はありません。

しかし、川や湖で水遊びをした場合は、泥や藻、微生物が付着し、悪臭や皮膚トラブルの原因になることがあります。そのため、毎回シャンプーでしっかりと汚れを洗い落とすことが大切です。

 

1-3-2.冬:できるだけ早くしっかり乾かして

寒い時期のお風呂上がりに濡れたまま放置してしまうと、犬の体が冷えて免疫力が低下し、体調不良を引き起こすことも。お風呂の後は、できるだけ早くしっかりと体を乾かしてあげることが、愛犬の病気予防につながります。

 

2.犬をお風呂に入れない・入れすぎると生じるリスク

「できるだけ清潔でいてほしいから、ほぼ毎日お風呂でシャンプーしてあげている」「うちの子はお風呂を嫌がるから、ほとんど入れていない」など、極端に入れすぎていたり、逆にほとんど入れていないご家庭もあるかもしれません。

では、犬をお風呂に入れる頻度が極端に高い、または低いとどうなるのでしょうか?本章では、それぞれの場合に生じるリスクについて解説します。

 

2-1.犬をお風呂に入れる頻度が高いと起こりうる問題

先述のとおり犬の皮膚は人間の約20〜30%ほどの厚さしかなく、非常にデリケートです。そのため、シャンプーの頻度が高すぎると皮膚を傷つけるだけでなく、毛の脂分を落としてしまい、かえって汚れやすくなります。

高頻度のお風呂によって皮膚が傷つくと、以下の問題が発生するリスクが生じます。

犬のお風呂の頻度が高すぎる場合に生じる問題

・皮膚のバリア機能低下による皮膚炎、湿疹、皮膚感染症

・皮膚の水分と油分のバランス崩壊による乾燥、赤み、炎症

・被毛の乾燥による抜け毛や切れ毛

・(犬が風呂嫌いの場合)ストレスによる免疫力低下、健康問題発生のリスク上昇

・皮膚のバリア機能低下に伴うアレルゲンの侵入によるアレルギー症状の発症

・皮膚の老廃物の排泄機能低下による健康問題発生のリスク上昇

汚れによる健康被害をおそれてお風呂の頻度を高くしすぎると、逆に健康問題が発生するリスクが上昇してしまうため注意が必要です。

 

2-2.犬をお風呂に入れる頻度が低いと起こりうる問題

犬を長期間お風呂に入れずに放置すると、被毛の奥に汚れが溜まり、以下の問題を引き起こす可能性があります。

犬に付着した汚れが起こす可能性のあるリスク

・悪臭を発する

・ノミ・ダニが付着する

・湿疹・皮膚炎などの皮膚トラブルが起こる

・感染症を発症する

愛犬が感染症にかかると、犬だけでなく家族にも健康被害が及ぶ可能性があります。そのため、適切な頻度でお風呂に入れて汚れをしっかりと落とすことが大切です。

 

3.犬をお風呂に入れる4ステップ

愛犬をお風呂に入れてあげる時は、以下の手順を踏むとスムーズかつ効果的に汚れを落とせます。

犬をお風呂に入れる4ステップ

1.お風呂の準備をする

2.お湯をかけながらシャンプーをする

3.シャンプーを洗い流す

4.体を拭く

本見出しでは各ステップを詳しく解説するので、実践にお役立てください。

 

3-1.お風呂の準備をする

愛犬をお風呂に入れる際は、まず以下のグッズを準備します。

犬のお風呂に必要なもの

・犬の大きさに合わせたバスタブ

・ブラシ

・泡立てネット・ボウル

・犬用シャンプー・リンス

・タオル(大・小 各2枚ほど)

・ドライヤー

・ティッシュペーパー・脱脂綿

グッズを揃える以外の事前準備としては、あらかじめブラッシングをしておくことが挙げられます。あらかじめ抜け毛や毛玉などを取り除いておくと、シャンプーをする際に地肌までしっかり洗えます。

 

3-2.お湯をかけながらシャンプーをする

お湯をかける際は、温度と音に注意が必要です。

犬は人間に比べて、肌がデリケート。かつ体温調節機能が弱いため、お湯の温度は子犬なら35℃ほど、成犬・老犬であれば30℃ほどに調整します。また、いきなり熱いお湯や冷たい水をかけるのではなく、27〜29℃あたりから徐々に温度を上げていきます。口が開いていたら暑いというサインであるため温度を下げます。

シャワーを使用する場合は、シャワーヘッドを犬に密着させて音が出ないように工夫すると、音によるストレスを軽減できます。

シャンプーをする時は部位ごとに、以下の順番で体の部位ごとに行います。

シャンプーを行う体の部位の順番

1.前足・後ろ足

2.お尻・内股

3.胸

4.背中

5.頭・顔

また、各部位をシャンプーする時のポイントも紹介します。

【部位別】シャンプーをする時のポイント

部位 ポイント
前足・後ろ足

シャワーで濡らし、シャンプーを泡立てて手でもみ込むように洗う。

足先や肉球の間は、特に汚れが溜まりやすいので、しっかり洗う。

お尻・内股

尻尾を持ち上げ、肛門の周りを優しく泡立てて洗う。

内股はデリケートな部分なので丁寧に。

シャワーの先端を上向きにし、体に沿わせて洗う。

汚れがつきやすい部位であるため、しっかり泡立てて洗う。

背中

お尻側から頭に向かって順に濡らし、シャンプーを泡立てて洗う。

首周りに抜けた毛や汚れが溜まっている事が多いため、注意。

頭・顔

洗面器に入れたぬるま湯を手ですくってかける。

目や耳の中に入らないようにし、目の周りはタオルやガーゼで拭く。

シャンプーは人間用ではなく、必ず犬用のものを使用してください。人間用は犬にとって刺激が強く、肌荒れの原因になります。また、リンスは必須ではありませんが、使用すると毛並みが滑らかになり、被毛のもつれや毛玉を予防できます。

 

3-3.シャンプーを洗い流す

シャンプーが犬の体に残っていると皮膚トラブルの原因になるため、しっかりと洗い流しましょう。体の高い部位から順番に洗うことで、シャンプーをきれいに流すことができます。

シャンプーを洗い流す部位の順番

1.頭

2.顔

3.背中

4.胸

5.前足

6.お腹

7.お尻

8.後ろ足

顔まわりは直接シャワーをかけず、濡れたガーゼで拭くことで、水が目や鼻に入るリスクを避けられます。

 

3-4.体を拭く

お風呂上がりは、まずタオルでしっかり水気を拭き取り、その後ドライヤーで乾かします。ドライヤーは強すぎないよう「弱」に設定し、手で被毛を掻き分けながら遠くから当て、地肌の湿気が取れるまでしっかり乾かしましょう。

ドライヤーで乾かす部位の順番

1.背中

2.お尻

3.胴

4.お腹

5.顔

6.尻尾

耳に水が入ると外耳炎のリスクがあり、外耳炎が慢性化すると最悪の場合、炎症が脳にまで及ぶ可能性があります。耳の水気はガーゼや指に巻いたティッシュペーパー、脱脂綿でしっかり拭き取りましょう。

 

4.犬がお風呂を嫌がる!原因と対策

愛犬がお風呂を嫌がっている場合は、原因に応じた対策が必要です。例えば、シャワー中に舌を出している場合は水温を下げ、シャンプーから顔を背けている場合は、目や耳に水が入らないように注意するなどしましょう。

過去に以下のような嫌な経験をして、お風呂がトラウマになっている可能性もあります。

お風呂がトラウマになりうる経験

・お湯の温度が熱すぎた

・シャワーの音が怖かった

・飼い主に押さえつけられて怖かった

・シャンプーの匂いが不快だった

・目・耳に水が入って痛かった

愛犬がお風呂にトラウマを持っていると考えられる場合は、原因を把握し、徐々に慣れさせることで克服を目指しましょう。入浴後にはおやつをあげながら褒めることで、お風呂を嫌がりにくくなります。

対策に悩んだときは、シャンプーのプロであるトリマーに相談し、適切なアドバイスをもらうのも一つの手です。

 

5.犬との生活で考えておきたい、衛生上の問題とその対応

犬と一緒に暮らす場合、犬と人間の両方が同じ病原体に感染する人獣共通感染症のリスクが生じます。感染症に関する正しい知識の習得と対策は、感染症法第4条によって義務化されています。

動物由来感染症の予防には、主に以下3つの対策が効果的です。飼い主にできることを怠らず、感染・まん延予防を行いましょう。

動物由来感染症の対策

対策 具体的な方法
動物対策

・犬の健康管理

・ワクチン接種

・動物感染症の検査 など

感染経路対策

・飼育環境の整備

・ダニやノミなどの害虫対策

・しつけによる拾い食い防止 など

人対策

・家族の健康管理

・行政による感染症情報の収集

・周囲の人々への啓発 など

 

6.愛犬の健康を維持するため、飼い主にできること

愛犬がなるべく長く健康でいるために、飼い主にできることは主に以下の3つです。

愛犬の健康維持につながる3つのこと

・必要な栄養素を与える

・生活環境を整える

・運動量を保つ

各工夫について詳しく解説します。

 

6-1.必要な栄養素を与える

多くの家庭では、愛犬に対して毎日同じドッグフードを与えているのではないでしょうか。

もし与えているドッグフードに必要な栄養素が不足していると、栄養バランスが崩れ、健康を害する可能性があります。どのような栄養素が入っているのかを確認し、不安がある場合は獣医に相談してください。

 

6-2.生活環境を整える

温度や湿度、物の配置など、生活環境を形作る要素は犬の健康に大きな影響を与えます。それぞれの注意点と改善方法は下表のとおりです。

生活環境の要素と注意点・改善方法

要素 注意点 改善方法
温度 犬は体温調節が苦手で、暑さや寒さに弱い 犬の様子を見てこまめにエアコンの設定温度を調節する
湿度 被毛に湿気が溜まると皮膚トラブルのリスクが高まる 蒸し暑いと感じたら、エアコンの除湿モードを使用する
物の配置 家の中に角・段差があると、ケガをするおそれがある 角にはクッションを設置し、段差には犬の歩幅に合わせたスロープを設置する

生活環境を整えて、愛犬の病気やケガのリスクを軽減しましょう。

 

6-3.運動量を保つ

適度な運動は、人間と同じように犬の健康維持に不可欠です。犬にとっての主な運動方法は散歩ですが、「汚れが気になるから」と散歩の頻度や時間を減らすのは避けましょう。

散歩によって愛犬の健康を維持するためには、愛犬が散歩に行きたがらない時や老犬になって足腰が衰えた時に適切な対処をする必要があります。

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まとめ|愛犬に合ったお風呂の頻度・方法でいつまでも健康的に暮らそう

愛犬を清潔に保ち、健康を維持するためには、適切な入浴頻度や方法が重要です。

一般的に、犬のお風呂は月に1〜2回が目安ですが、犬種や飼育環境、年齢に応じて調整が必要です。例えば、長毛種や外で過ごすことが多い犬は汚れやすく、お風呂の頻度を増やす必要がありますが、頻繁なシャンプーは皮膚トラブルの原因になるため注意が必要です。逆に、あまりお風呂に入れないと、被毛に汚れが溜まり、皮膚炎や感染症のリスクが高まります。

また、入浴時には、温度やシャワーの音に注意を払い、シャンプーの後はしっかりと乾かすことが大切です。犬がお風呂を嫌がる場合は、過去の嫌な経験がトラウマになっている可能性があるため、原因に応じて徐々に慣れさせることが推奨されます。さらに、感染症の予防や生活環境の整備も、愛犬の健康維持において重要なポイントです。

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【記事執筆者】ACCAPI®×SOZO®編集部|ペットがいつまでも健康で、家族みんなの毎日が豊かになるように。本コラムでは、愛犬の健康や散歩に関する情報をお届けしています。